通信制高校について知る

通信制高校とはどんな学校?

通信制高校とはどんな学校?

通信制高校は、インターネットや郵送等の「通信」によって、学校に通わずに授業やテストを受講し高卒資格を取得することができる学校です。
こちらでは、一般的な学校との違いや通信制高校ならではの特徴について解説します。

通信制高校の特徴

高等学校には大きく分けて「全日制高校」「定時制高校」「通信制高校」の3種類が存在します。

全日制と定時制の高校は、原則として毎日学校へ通い校内で授業やテストを受けることで単位を取得し、高卒資格を得ることとなります。

一方で、通信制高校は年に数日行われる「スクーリング」を除き、基本的に自宅にいながら授業やテストを受けることができ、全日制や定時制と同様に高卒資格を取得することも可能です。
もちろん、全日制・定時制で得られる高卒資格と通信制で得られる高卒資格は全く同じもので、履歴書に高卒として記入することも当然ながら問題ありません。

何らかの事情で学校を中退もしくは不登校になり、継続的な登校が難しくなった子どもでも、通信制高校なら無理なく自分のペースで高卒資格を目指せます。

通信制高校の学習体系について

多くの通信制高校では、「単位制」が採用されています。

一般的な全日制高校の場合は「学年制」といい、学年ごとにカリキュラムが決まっており、1年毎にカリキュラムを修了することで進級となり、3年生までの全てのカリキュラムを修了することで卒業となります。

一方で通信制高校で採用されている「単位制」は、学年に関係なく自分のペースでカリキュラムを履修することができ、所定の合計単位数を取得することで卒業となります。
仮に1年目で取得できなかった単位があったとしても留年にはならず、2年目に改めて履修して単位を取得すれば問題ありません。

通信制高校での単位の取得方法は大きく以下の3つに分類されます。

レポートの提出

通信制高校では、基本的にパソコンやタブレットといった端末を用いて、在宅で授業を受けることとなります。
在宅で学習するわけですから、一般的な通学タイプの高校とは違いこちらから学習状況を担当の先生に報告する必要があります。
それがレポート提出となります。

レポートの提出方法には郵送やEメールでの送付のほか、LINEやChatworkなどのコミュニケーションツールを活用したり、最近ではメタバース空間を利用したりといった方法もあります。

スクーリング

通信制高校は全日制高校と違い、基本的に毎日学校に通う必要はありません。
しかし、日にちや回数は学校によって異なりますが、登校日というものが設けられています。これをスクーリングと呼びます。

スクーリングでは、在宅での通信学習とは違い先生に直接指導や相談を受けることができます。また、体験型授業など通信ではできないカリキュラムや行事も存在します。

単位認定試験

通信制高校の授業は在宅で受ける形となるので、きちんと授業を受けているかどうかは日々のレポートの提出によって証明することができます。
しかし、実際に単位を取得するためには別途テストの受験が必要となります。
これを単位認定試験と呼びます。

単に授業を受けているだけでは単位は認められませんが、この単位認定試験に合格することで単位取得となり、所定の単位数に達することで卒業要件を満たすことができます。

通信制高校を卒業するためには

高校を卒業するためには、最低でも3年間在籍し、かつ合計74以上の単位を取得する必要があります。
これは学校許育法で定められた規定のため全ての高校で同様となっており、通信制高校も例外ではありません。

通信制高校を3年未満で卒業したという声もある?

実際に通信制高校を卒業した方の中には「通信制高校を1年で卒業した」という方もいるかもしれません。
しかし、これは転入や編入で通信制高校に入学したというケースで、通信制高校に通っていたのは1年間だが転入前の高校に2年間通っていた、という形になっているでしょう。
転入や編入を経て、複数の高校で合計3年間在籍していれば、卒業の要件を満たすこととなります。

そのため、実際に新入学者として通信制高校に入学し、そこから1年で卒業……というケースはありません。

通信制高校に4年以上通うケースも?

一方で、通信制高校で卒業までに4年以上を費やしたというケースですが、これはあり得ます。
前述の通り通信制高校は「単位制」となっており、単に在籍しているだけでは単位は認められず、3年以内に74単位を取得できていなかった場合は、4年目以降も在籍し続けることになってしまうのです。

通信制高校に通う人は様々

通信制高校には様々な人が通っています。
不登校・引きこもり状態で学校に通えなくなっている子どもや、発達障害などで通常の授業についていけない子どものほか、既に社会人として働いている方や中卒(高校中退)の方もいます。

そのほかにも、家庭の事情で毎日決まった時間に学校に通うのが難しいケースや、前の学校でやむを得ないトラブルにより退学を余儀なくされたケースなどもあり、転入や編入といった形で通信制高校に入学される方も珍しくありません。

通信制高校に通う方の状況や事情は様々。
普通の高校では受け入れられない、通うのが難しいという人でも平等に勉学を取り戻し、高校卒業を目指せるのが通信制高校という存在なのです。

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